◎ご病気について

治療の対象となる病気は何ですか?


  • 就職や仕事の環境の変化などはっきりとしたストレスに対して数ヶ月以内に精神不調をきたします。

    憂うつな気分や不眠、食欲がなくなることがあります。病状によっては休職をお願いする場合がございます。

    長期間症状が続くと遷延性抑うつ反応へと病名が変わる場合があります。

  • うつ病は気分障害の一つです。

    悲しみや絶望感などの抑うつ気分や、興味や喜びの欠如、疲れやすさや倦怠感、意欲や集中力の低下、不眠などの身体的・心理的症状が現れる状態です。

    死にたい、消えたい気持ちを感じる場合もあります。これらの症状が2週間以上続く場合は、うつ病と診断されることがあります。

  • 双極性感情障害(躁うつ病)は、うつ状態と躁状態の2つの気分症状が交互に現れる脳の病気です。

    うつ病とは病態が異なります。

    うつ状態の症状としては、気分が沈む、無気力さ、興味を持てない、食欲不振、不眠、死にたい気持ちになるなどがあります。

    躁状態の症状としては、高揚感、多弁、怒りっぽさ、判断力の低下、浪費、眠らなくても平気になるなどがあります。

    うつ状態ではご自身で調子悪さを感じやすいのですが、躁状態だと病気だと感じないことが多いので、周りの人が心配して受診を勧める場合があります。

  • 脳の機能のまとまり(統合)がうまくいかなくなる(失調)病気で100人に1人がかかると言われています。

    主な症状は悪口が聞こえてる幻聴、何者かに追われていたり盗聴器が仕掛けられていることを確信してしまう妄想、何もする気が起きず1日中家でゴロゴロする無為や自閉など多岐に渡ります。

    またご本人がこれらの症状に気づかないことがこの病気の特徴です。

  • 生まれつき脳の機能に偏りがあることで社会生活が困難になるのが特徴です。

    対人関係がうまくいかず柔軟な思考が困難で興味のある物事に対して集中力の高さやこだわりの強い自閉症スペクトラム、気が散りやすく落ち着きがなく忘れ物や予定を忘れることが多いADHD(注意欠陥多動性障害)、書く・読む・聞く・話す・計算するといった特定の行動が苦手になる学習障害があります。

    主に小学校の頃から存在することが特徴です。

    当院では簡単な心理テストやカウンセリングを行なっております。

  • 不安や緊張を感じる場面で、腸の動きが速くなったりゆっくりになることでお腹の痛みと便秘や下痢を認めます。

    また内科で検査しても異常がない場合にこの病気の可能性が出てきます。

  • パニック症(パニック障害)は、突然に強い動悸や息苦しさに加え、不安感や死んでしまいそうになる恐怖感などを感じることが特徴です。これはパニック発作と呼ばれ数分でピークに達し、その後徐々に減少します。発作中には、心拍数の上昇、汗をかく、手足が震える、息ができないと感じるなどの身体的症状が出現します。パニック発作を繰り返すと、”またこのような状況になるんじゃないか?”といった予期不安も現れます。

    発作は予測不可能であり、特に初めて経験する場合、救急車を呼ぶことがあります。慢性的なパニック症を持つ人々は、新たな発作を恐れて社会活動や外出を避ける傾向があり、これがさらなるストレスを引き起こすことがあります。

    治療には、抗うつ薬、抗不安薬、認知行動療法(CBT)などが用いられることが多いです。

  • 月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder: PMDD)とは、月経前に著しい感情の不安定さ、イライラ感、抑うつ気分に加え、睡眠障害や食欲に大きな変化が現れます。

    しかし月経が始まるとこれらの症状がおさまるのが特徴です。

    治療法としては経口避妊薬や、抗うつ薬を月経前のみ使うとよく効く場合があります。

  • 社交不安障害(Social Anxiety Disorder: SAD)とは、社交場面において恐怖や不安を感じる病態です。

    社交不安障害の症状としては、動悸、発汗、呼吸のしずらさ、体の震え、腹痛、吐き気、下痢などの身体的症状や、自分を恥ずかしいと感じる、社交的状況を回避し続けるなど心理的症状が挙げられます。

    また、プレゼンや面接など公衆の面前で何らかの行為に対してのみ不安や恐怖を感じることを社交不安障害のパフォーマンス限局型と呼びます。

  • 身体症状症(身体表現性障害 Somatoform disorders )とは、身体的な症状があるにも関わらず、明らかな身体的疾患が半年間以上見つからない状態を指します。

    身体に違和感を感じて内科受診をしても異常がない場合は、この病気の可能性があります。

    主な症状としては、頭痛、めまい、だるさ、吐き気、腹痛、胸痛、立てない、歩けない、声が出なくなる、呼吸困難などが挙げられ、不安感や健康に対して過度に心配する場合があります。

    これらの症状が身体的な原因によるものではなく、心因性な要因によるものであることが特徴です。

  • 全般不安症(全般性不安障害 generalized anxiety disorder: GAD)は、不安という漠然とした感情が絶えず存在する状態です。

    不安を自分で制御することが難しく、集中力の低下、筋肉の緊張や疲労を感じます。不眠を感じることも多いです。

    これらの症状が、半年間以上続くとこの診断名が当てはまってきます。

  • 急性ストレス障害(Acute Stress Disorder, ASD)は、極度にトラウマティックな出来事に直面した後、通常3日から4週間の期間内に発症する精神的な障害です。この状態は、心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder, PTSD)の前駆とされ、同様の症状が続く場合はPTSDへと移行する可能性があります。

    主な症状

    ・回避行動: トラウマに関連する人、場所、または物から避ける。

    ・侵入的な思考: トラウマの瞬間が何度も頭によぎる。

    ・解離: 現実感がなくなる、自分自身や周囲の環境とつながりが感じられなくなる。

    ・高度な緊張: 過度に警戒する、驚きやすいなど。

    ・情緒の鈍化: 感情がフラットになる、あるいは極端な怒りや悲しみを感じる。

    治療には、通常、心理療法(特に認知行動療法)と薬物療法(抗うつ薬や抗不安薬)が用いられます。

  • レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome, RLS)は、主に下肢に不快感や違和感、時には痛みを感じ、それを和らげるために足を動かす衝動が起きる神経学的障害です。この症状は通常、夜間や休息中によく発生し、最も一般的な影響は睡眠の質の低下です。

    主な症状

    ・脚(特にふくらはぎ)に感じる違和感や不快感

    ・座っているか横になっていると症状が悪化

    ・足を動かすと一時的に症状が和らぐ

    ・夜間に症状が特に強くなる

    診断

    診断は主に症状と患者の自己報告に基づいて行われます。他の疾患や薬剤、妊娠、鉄分の不足などが原因で症状が起きている場合もあるため、そのような要因を除外するための検査が行われることもあります。

    治療

    薬物療法: ドーパミン作動薬、抗てんかん薬、ベンゾジアゼピン系の薬が使用されることがあります。

    生活習慣の改善: アルコールやカフェインの摂取制限、定期的な運動、ストレス管理などが有用な場合があります。

  • 強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder, OCD)は、反復する侵入的な思考(強迫観念)とそれに対処するための行動(強迫行為)が特徴的な精神障害です。この障害は日常生活に影響を及ぼし、仕事や人間関係にも悪影響を与えることがあります。

    主な症状

    強迫観念: 不安や恐怖を引き起こす侵入的な思考やイメージ。たとえば、手が汚れているという考えが、”ばかばかしいと思っても”頭から離れない、など。

    強迫行為: 強迫観念に対処するために行う反復的な行動や心の中で行う儀式。例えば、”無意味だと持っても”手を何度も何度も洗う、”やめたいと思っても”扉を何度も確認する、等。

    治療

    薬物療法: 抗うつ薬(特にSSRIs:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が一般的に用いられます。

    心理療法: 認知行動療法(CBT)が最も効果的とされています。


これらの他に、
不眠症
摂食障害
お気軽にご相談下さい。