心が疲れたときの“栄養ケア”:「トリプトファン」を食事から補う方法
日々のストレスや不安で「なんとなく元気が出ない」「気分が落ち込みがち」と感じるとき、
心のケアとともに見直したいのが食事です。
とくに注目したいのが、神経伝達物質であるセロトニンの材料となるトリプトファン。
この必須アミノ酸は、体内でセロトニンの生成に欠かせない成分であり、チーズやヨーグルトといった乳製品に豊富に含まれています。
なぜトリプトファンが大切なのか?
トリプトファンは、体内でいったん5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)に変換され、最終的にセロトニンとなります。セロトニンは脳内で感情の安定や睡眠の質、意欲などに関わっており、心のバランスを保つうえでとても大切な神経伝達物質です。
しかし、トリプトファンは体内で合成できないため、食事からの摂取が必須です。
不足すると、セロトニンの生成が滞りやすく、抑うつ気分や不眠を招くこともあります。
トリプトファンが豊富な食品
・チーズ(とくにプロセスチーズやパルメザンチーズ)
・ヨーグルト
・牛乳
・豆腐、納豆などの大豆製品
・卵
・鶏むね肉
・バナナ
これらを日々の食事に取り入れるだけでも、気分の底上げに役立ちます。
朝食にヨーグルトとバナナ、昼食に豆腐や鶏肉を使ったメニューなど、無理なく継続できる形が理想です。
トリプトファンを効果的に使うコツ
トリプトファンの脳内への取り込みには炭水化物の助けが必要です。
たとえば、「ごはん+納豆」「トースト+チーズ」「バナナ+ヨーグルト」などの組み合わせは理にかなっています。
また、セロトニンの合成にはビタミンB6やマグネシウム、ナイアシンといった補酵素の存在も重要。バランスの良い食事がトータルで心の健康を支えます。
吉本メディカルクリニックでは、こころと身体の両面からのアプローチを大切にしています。薬やカウンセリングだけでなく、食事や生活習慣を含めた総合的な支援をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。