クービビック(ダリドレキサント)とは?―新しいかたちの睡眠薬、その“形”にも意味があります―

2024年12月、新たな睡眠薬「クービビック」が日本でも登場しました。

有効成分は「ダリドレキサント」、分類としてはオレキシン受容体拮抗薬(DORA)に属します。

この新薬は、これまでの睡眠薬とは違い、「自然な眠り」を重視したアプローチが特徴です。

さらに、錠剤の形が独特な三角形であることも、実はとても意味のある設計なのです。

◆ クービビックの基本情報

薬品名:クービビック(Quviviq)

一般名:ダリドレキサント(Daridorexant)

分類:オレキシン受容体拮抗薬(DORA)

発売:2024年12月(日本)

主な作用:入眠促進・中途覚醒の改善・睡眠の質向上

依存性:ベンゾジアゼピン系に比べて低い

半減期:約8時間(朝への持ち越しが少ない)


◆ オレキシンと眠りの関係

オレキシンは、覚醒を維持する神経伝達物質です。

日中、私たちがシャキッとしていられるのはオレキシンのおかげ。

しかし、夜になってもこのオレキシンが強く働いてしまうと、眠りにくくなってしまいます。

クービビックは、オレキシン1受容体・オレキシン2受容体の両方をブロックすることで、「自然な眠気」を引き出すという、新しい作用機序を持っています。

◆ どんな不眠症に向いている?

クービビックは、特に以下のようなタイプの不眠症に適しています。

  • 寝つきが悪い(入眠障害)

  • 夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)

  • 高齢者で転倒リスクが気になる

◆ 錠剤の形に隠された“やさしさ”

クービビックは、独特の三角形の錠剤をしています。

この形には、開発者の細やかな配慮が込められています。

✅ 転がりにくい

担当MR(医薬情報担当者)によると、「丸い錠剤は落とすと転がって拾いにくい」という患者さんの声に応えるため、三角形にしたとのこと。

特に高齢者や手の不自由な方には嬉しい工夫です。

✅ 医師に伝えやすい

さらに、「三角の薬を飲んでいます」と言えば、医師や薬剤師がすぐに思い出せるようにという配慮もあります。
患者さん自身が、自分の服用薬を正確に伝えることができる――それは医療安全にもつながる重要な視点です。

◆ 副作用・注意点

クービビックは比較的安全性の高い薬ですが、副作用には注意が必要です。

  • 主な副作用

  • 日中の眠気

  • 頭痛

  • 倦怠感

  • 悪夢・夢の鮮明化(レム睡眠増加による)

併用禁忌・注意薬

  • CYP3A4阻害薬(一部の抗真菌薬・抗HIV薬・抗生物質など)

  • 飲酒との併用は推奨されません

  • 肝機能障害がある方は慎重な使用が必要です

◆ 吉本メディカルクリニックでは…

当院では、不眠症の治療においても、\*\*「薬だけで終わらせない」\*\*ことを大切にしています。

  • 生活習慣の改善指導

  • 認知行動療法(CBT-i)との併用

  • 睡眠日誌を活用した経過観察

  • 依存リスクの低い薬剤の選択

新しい薬剤が出てきても、「合う・合わない」は人それぞれ。しっかりお話を伺いながら、その方に最も合った治療を提案しています。

また、新薬の投薬日数制限によりしばらくの間は2週間処方なのでご了承ください。

◆ まとめ

✅ クービビックは、ダリドレキサントを有効成分とする新しいタイプの睡眠薬。

✅ 自然な眠気を促し、朝に残りにくいバランスの取れた作用が魅力。

✅ 錠剤の三角形は、転がりにくく、服薬確認にも役立つデザイン。

✅ 安全性は高いが、併用薬や体質によっては注意が必要。

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