日本でオンライン診療が広がらない理由とは?

心療内科・精神科こそ活用したい、オンライン診療の可能性

コロナ禍以降、一気に拡大した「オンライン診療」。スマートフォンやパソコンを使って自宅から医師の診察が受けられるこの新しい医療のかたちは、通院が難しい方にとって大きな希望でもあります。

しかし、日本ではいまだに「病院=対面診療」が主流。

なぜ日本ではオンライン診療が広がらないのでしょうか?

そして、精神科や心療内科の領域ではどのような活用が期待されているのでしょうか?

今回は、2024年に発表された大規模調査をもとに、オンライン診療の現状と未来についてお話しします。


オンライン診療を受けたことがある人はわずか5%

2024年、国際的な医学誌「Journal of Medical Internet Research(JMIR)」に、日本におけるオンライン診療の利用実態に関する大規模調査が掲載されました。

この調査によると、オンライン診療を実際に経験した人はわずか5.3%。

一方で、その経験者の約8割が「満足」と回答しています。

つまり、「使ったことがある人のほとんどは好印象」。

それなのに使われていない――そこには、日本ならではの事情があるようです。


なぜ日本で普及しないのか?

1. 病院が多く、通院がしやすい

日本は他国に比べて医療機関が非常に多く、都市部では「徒歩圏にクリニックが複数ある」ことも珍しくありません。

そのため、「わざわざオンラインで受けるまでもない」という意識が強くなりがちです。

2. 医療側の準備が追いついていない

オンライン診療を実施している医療機関は全体のわずか2割ほど。

特に電子カルテを導入していない施設では、オンライン診療の導入が進みにくい状況です。

3. 検査や処置ができない

診察中に「採血」「レントゲン」「身体診察」などが必要になったとき、オンラインでは対応ができません。

こうした不安から、医療者側も消極的になる傾向があります。

精神科・心療内科にこそ向いている理由

実は、心療内科・精神科はオンライン診療との親和性が高い分野**です。

以下のような特徴があるためです。

・多くの診察が「問診中心」である

・身体診察や検査が不要なケースが多い

・移動がつらい患者さんが多い(うつ、不安、PMDDなど)

特に、うつ病や適応障害、パニック症などで「外出がつらい」と感じている患者さんにとって、オンライン診療は大きな助けになります。

また、子育てや介護で時間がとれない方、遠方にお住まいの方にとっても、自宅から医師と話ができるメリットは大きいです。

オンライン診療でよくあるご質問

Q. 精神科の薬はオンラインで処方できますか?

→いいえ、初診で向精神薬の処方は不可です。対面診療で医師が必要と判断した場合は可能です。

Q. 保険は使えますか?

→はい、健康保険が適用されます。通常の対面診療と同じ扱いです。(ただし通信費やシステム利用料が別途必要な場合があります)。

Q. 家族の同席は可能ですか?

→はい、可能です。特にご本人が話しにくい内容などがある場合は、ご家族が一緒にお話しくださると助かります。

当院でもオンライン診療に対応しています

吉本メディカルクリニック(港区)では、精神科・心療内科のオンライン診療**に積極的に取り組んでいます。

外出が難しい方、忙しくて時間が取れない方も、お気軽にご相談ください。

・ 初診/再診対応

・スマホで簡単に受診

・必要な場合は対面との併用も可能(ハイブリッド型)

ご希望の方は、[公式LINE]または[予約ページ]から。

まとめ

オンライン診療は、まだまだ発展途上ではありますが、心療内科・精神科にとっては“未来のスタンダード”となり得る選択肢**です。

2024年の調査でも、「もっと広がってほしい」「通院の負担が減った」といった声が多く寄せられています。

「診察は受けたいけれど、今はちょっと外に出る元気がない…」

そんなときこそ、オンライン診療を検討してみませんか?

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