帯状疱疹ワクチンは“脳の老化”を遅らせるか?

今日は、最近注目されている「帯状疱疹ワクチンと認知症予防」について、考えてみたいと思います。

■ 認知症と“炎症”

認知症は加齢とともに増加しますが、単なる「年齢の問題」ではありません。

近年わかってきたのは、

  • 慢性的な炎症

  • 免疫系の老化

  • ウイルスの潜伏感染

などが、脳の変性に関わっている可能性があるということです。

特に、水痘帯状疱疹ウイルス(子どもの頃の水ぼうそうのウイルス)は、体内に長期間潜伏します。そして免疫力が落ちたときに帯状疱疹として再活性化します。

このため「症状が出ていない間も、微細な炎症を起こしているのではないか?」という仮説があります。

また帯状疱疹ワクチンは、以前は生ワクチンが主流でした。最近では不活性ワクチンであるシングリックスが先進国では主流です。

対象は日本では50歳以上です。2回接種する必要がありますが、その予防効果は生ワクチンより長期間に及びます。

■ ワクチン接種で認知症リスクが約20%低下?

複数国の大規模データ解析では、

帯状疱疹ワクチン接種者は、7年間で新規認知症診断が約20%少なかった

という結果が報告されました。

この数値は低く感じるかもしれませんが、5人に1人は異常がなかったというです。

それだけ日常生活にも支障が出なかったということになります。

さらに、

  • 炎症マーカーが低い(細胞や組織が影響を受けにくい)

  • DNAダメージの蓄積が少ない(がん化しにくい)

  • 心身の機能がどれだけ若々しく保つ指標、健康老化スコアが良好

というデータもあります。

これは、帯状疱疹の予防以上の効果がありそうですね。

■ 精神科医として感じること

炎症とうつの関係はすでに多くの研究があります。

もし帯状疱疹ワクチンが慢性炎症を抑えて、免疫を整え、神経変性を抑制する

とすれば、

精神医学的にも非常に大きな意味を持つ可能性があります。

ただ、

・効果はどのくらい持続するのか?

・若い世代にも意味があるのか?

・本当に因果関係があるのか?

今後の更なるデータが待たれます。

■ 予防医学の時代へ

精神科医療も「治療」から「予防」へシフトしていければ感じています。

✔ 睡眠
✔ 運動
✔ 食事
✔ 社会的つながり
✔ ワクチン

こうした多面的な介入が、脳の健康を守る時代です。

帯状疱疹ワクチンは、
単なる皮膚疾患の予防ではなく、

“脳を守る一手”になる可能性がある。

そう考えると、とても興味深いテーマです。

今後も、科学的エビデンスを丁寧に追いながら、
精神科臨床にどう活かせるかを考えていきたいと思います。

吉本メディカルクリニックでは帯状疱疹ワクチンのお取り寄せが可能です。

私も数年前に接種しました😄

帯状疱疹の痛みを防ぎ、認知症にも予防効果があるかもしれない・
コスパの良いアンチエイジングや未来の投資だとも感じます。

お気軽にご連絡ください。

参考

Can the shingles vaccine slow ageing?

Herpes zoster vaccination and incident dementia in Canada: an analysis of natural experiments

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