連休明け、気が重いのは「怠け」ではありません
ゴールデンウィーク明け、月曜日の朝。
布団から出るのが億劫で、気持ちが沈んでいる自分に「これじゃダメだ」と責めてしまっていませんか?
でもそれは、「休みボケ」や「怠け癖」ではありません。
連休で一度ゆるんだ生活リズムと心理的な緊張感のギャップに、心も体も戸惑っているだけ。
今はちょうど、“再起動中”のタイミングなのです。
休暇後の仕事復帰は、軽度ながら“ストレス”の一種ともいえます。
とくに精神的ストレスやうつ傾向のある方は、連休明けに症状が再燃しやすいことが、いくつかの研究でも示唆されています。
たとえば、休暇後の出勤日にはストレスホルモンであるコルチゾールの急上昇が見られることが報告されました【参考文献】。
このホルモンは本来「エンジンをかける」ためのものですが、過剰に働くと気分の落ち込みや焦燥感を引き起こします。
無理に頑張るより、「ペースを戻す」ことを意識
こういう時こそ大切なのは、
“すぐに元通りに戻ろうとしない”ことです。
たとえば以下のような過ごし方がおすすめです:
朝の光を浴びる:体内時計の再調整に効果的です
一つのタスクを小さく分けて取り組む
食事・睡眠・入浴など、生活リズムを整える
「今日はこれができた」と、自分に小さなOKを出す
焦って自分を責めるより、「ゆっくり再起動している」と受け止める方が、結果的に早く調子が戻ります。
おわりに:波があるのが自然なこと
多くの患者さんと接してきて感じるのは、
「調子の波はあって当たり前」ということ。
下がったときに「またダメだ」と思うのではなく、「こういう日もある」と認めることが、こころの安定につながります。
連休明けの気分の落ち込みは、誰にでも起こる自然な現象です。
どうか、自分にやさしく、できることから少しずつ。
【参考文献】
"Differences in cortisol awakening response on work days and weekends in women and men from the Whitehall II cohort"
著者:Sabine R. Kunz-Ebrecht, Clemens Kirschbaum, Andrew Steptoe
掲載誌:Psychoneuroendocrinology, 2004年4月
この論文では、勤務日と週末における起床時コルチゾール反応(Cortisol Awakening Response: CAR)の違いを調査し、勤務日のほうが高いCARを示すことを報告しています。とくに女性で顕著な傾向が見られました。