タバコ・アルコール・大麻 —— 依存性が一番強いのは?

大麻の所持・使用にて芸能人の逮捕や著名人が辞任といったニュースが話題になっていますが、

タバコとアルコールも含めて依存性がどの程度あるのか、まとめてみました。

依存とはなにか?

依存には大きく2種類あります。

・身体依存:やめると体に離脱症状が出る(例:アルコール離脱での震えや発汗)。

・精神依存:やめると強い欲求や不安に襲われる。

どちらも「やめたいのにやめられない」状態をつくります。

タバコ

・依存性:とても強い(*喫煙者の約4人に1人(24%)がタバコ依存の既往歴)

・ニコチンは数秒で脳に届き、ドーパミンを放出します。

・多くの研究で「最もやめにくい薬物」とされています。

・ 禁煙に挑戦した方の多くが再喫煙してしまうのは、この強い依存性のためです。

アルコール

・依存性:中〜高(*飲酒者の約7人に1人(14%)がアルコール依存の既往歴)

・飲み続けると耐性ができ、量が増え、大量飲酒を突然やめると手の震えや幻覚を体験する事があります。

・社会的な被害(事故・暴力・仕事や家庭への影響)がとても大きいのが特徴です。

大麻

・依存性:低〜中(*薬物使用者の約13人に1人(7.5%)が吸入薬または規制薬物への依存の既往歴)

・精神的な依存は生じますが、身体依存は比較的弱いです。

・ただし若いときからの使用は依存に陥りやすく、精神病発症リスクも指摘されています。

・「安全」と思われがちですが、決して無害ではありません。

依存性の順番は?

国際的な研究では次のようにまとめられています:

👉 タバコ>アルコール>大麻

「大麻は依存性が低い」と言われることもありますが、それでも精神的な依存や健康被害は存在します。

まとめ

・タバコは「やめにくさ」でトップクラス。

・アルコールは「依存性+社会的損失」が非常に大きい。

・大麻は「比較的依存性は弱いが、精神的リスクを伴う」。

依存は「良い・悪い」ではなく「やめたいのにやめられない状態」や「それにしか頼るものがない」と感じてしまうのが問題です。

生活に影響が出ているときは、精神科などの相談が回復への第一歩になります。

*参考
Comparative epidemiology of dependence on tobacco, alcohol, controlled substances, and inhalants: Basic findings from the National Comorbidity Survey.

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