眠れないと妊娠しにくくなる?睡眠と女性の妊孕性について

妊娠中のお薬の服薬は原則、減量及び中止が望ましいです。

ところが、妊娠がわかる前に睡眠薬を自分で減薬して不眠を訴える患者さんがいて、
どうやら睡眠薬を続けると妊娠しにくいのではないか?と感じている様子でした。

睡眠薬が妊孕性(にんようせい、妊娠するための力、生殖機能)を直接低下させるという明確な証拠は乏しいです。

また、睡眠と女性の妊孕性の関連についての論文
「Sleep, Sleep Disturbance and Fertility in Women」
​睡眠障害が女性の生殖能力に与える影響について、既存の研究を総括し、以下のような主要なポイントを挙げています。​

・睡眠障害と生殖ホルモンの関係
睡眠の質や量の低下が、女性の生殖ホルモン(例:LH、FSH、エストラジオールなど)の分泌に影響を与える可能性があると指摘されています。​

・ストレスと睡眠の相互作用
ストレスが睡眠障害を引き起こし、それがさらに生殖機能に悪影響を及ぼす可能性があると述べられています。​

・概日リズムの乱れ
交代勤務などシフトワークなどによる概日リズムの乱れが、月経不順や不妊のリスクを高める可能性があると報告されています。​

著者らは、睡眠障害が女性の生殖能力に及ぼす影響についての研究がまだ限られていることを指摘し、今後の研究の必要性を強調しています。

不眠が直接妊孕性に影響あると言い切れないですが、
不眠はホルモンバランスやストレスレベルに影響を与え、これらが間接的に妊孕性に関与する可能性はあります。

不眠が続く状態では睡眠薬はある程度必要と感じます。
ただ減薬や断薬が可能な場合もあるので、かかりつけの医師に相談していただければと思います。

参考
Sleep, Sleep Disturbance and Fertility in Women

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