【警鐘】鶏チャーシューでギラン・バレー?――カンピロバクター食中毒とメンタルヘルス

2025年6月、Yahooニュースで報じられた「鶏チャーシュー」による食中毒事件。

この記事では、飲食店で提供された鶏チャーシューを食べた複数の人々が体調を崩し、その原因としてカンピロバクターによる食中毒が疑われていると伝えられました。

カンピロバクターは鶏肉に多く存在する細菌であり、たった数百個で感染を引き起こすこともあります。加熱が不十分な鶏肉や鶏レバーの喫食が主な感染経路です。

■ カンピロバクターが引き起こす症状

感染後、通常2〜5日の潜伏期を経て、

発熱

倦怠感

下痢(時に血便)

腹痛

などの症状が現れます。多くの場合は数日で回復しますが、ごく一部の人では重篤な後遺症が残ることもあります。

■ ギラン・バレー症候群との関係

中でも注目すべきは、ギラン・バレー症候群(GBS)との関連です。

ギラン・バレー症候群とは、自己免疫が末梢神経を攻撃してしまう疾患で、筋力の低下や麻痺、最悪の場合は呼吸筋麻痺を引き起こします。

これは決して他人事ではありません。実際、カンピロバクター感染の1/1,000〜1/5,000程度でギラン・バレー症候群を発症するリスクがあるとされており、特に若年層での事例報告もあります。

■ 「レア」が危ない時代に

SNSやグルメメディアの影響で、「レア」「ジューシー」「とろける食感」などの言葉に惹かれて注文してしまう料理も多いでしょう。

しかし、食の演出と安全性のバランスを見極めることが今こそ大切です。

飲食店で「少し生っぽいな?」と感じた時、

「火を通してください」と伝える勇気を持ちましょう。

これは自己防衛だけでなく、他の人を守ることにもつながります。

■ メンタルヘルスと食の安全

食中毒は身体の問題にとどまりません。特に強い腹痛や嘔吐、原因の分からない体調不良は、不安やパニックを引き起こすこともあります。

また、後遺症が残った場合や、ギラン・バレー症候群のように入院が必要になるケースでは、うつ症状のような精神症状に発展することもあります。

精神科では、こうした身体疾患が引き金となる心の問題にも対応しています。

不調が長引く場合は、心療内科や精神科に相談することも選択肢のひとつです。

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