インドネシア渡航と精神科処方薬:知らないと入国できない持ち込みルール

ベンゾジアゼピン系・睡眠薬・トラマドール・メチルフェニデート(コンサータ、リタリン)は向精神薬指定のため、医師の処方箋・投薬証明書が必要です。

2026/08/2

吉本メディカルクリニックの吉本光宏(精神科医・産業医)です。20か国以上の渡航経験を持ち、日本渡航医学会所属。 海外赴任者、出張者向けの診断書(英語)・投薬証明書(英語)の発行を行っています。

インドネシア(バリ島・ジャカルタなど)は日本人の旅行先・赴任先として人気が高い一方、麻薬・向精神薬の規制が世界でも最も厳しい国のひとつです。精神科・心療内科の処方薬を服用中の方から「インドネシアに薬を持っていって大丈夫ですか?」というご相談が増えています。

結論を先に言います。薬の種類によって、処方箋だけで問題ない場合と、事前に書類を準備しないと入国時に足止めされる場合と、そもそも持ち込めない場合があります。 韓国のMFDS申請のような期限管理も必要になるため、渡航が決まった段階で早めに確認してください。

薬の種類ごとの整理

① SSRIなどの抗うつ薬・抗精神病薬 ジェイゾロフト(セルトラリン)、レクサプロ(エスシタロプラム)、パキシル(パロキセチン)などのSSRI/SNRIや、クエチアピンなどの非定型抗精神病薬は、インドネシアの麻薬・向精神薬リストには該当しません。
医師の処方箋・診断書があれば、最長90日分まで持ち込み可能です。錠剤タイプの薬であれば、処方箋がなくても種類ごとに30個まで(軟膏・液体・シロップ等は3個まで)は個人使用として認められていますが、精神科の薬は英文診断書の携行を強く推奨します。

② ベンゾジアゼピン系・睡眠薬・トラマドール等(向精神薬指定) ジアゼパム、アルプラゾラム、ロラゼパム、ゾルピデム(マイスリー)、トラムセット(トラマドール含有)などは、インドネシアの向精神薬(Psikotropika)リストに該当します。持ち込みにはBPOM(国家医薬品食品監督庁)指定の申請フォームへの記入と、患者名・適応症・薬剤名・投与量・治療期間・1日使用量を明記した医師の処方箋の写し・投薬証明書が必須です。日本語の書類は英語またはインドネシア語訳の添付が必要で、インドネシア滞在期間に応じて最長2か月分が上限です。

③ ADHD治療薬(メチルフェニデート)・アンフェタミン系 ── 特に注意
⚠️メチルフェニデート(コンサータ、リタリン等)はインドネシアで向精神薬Golongan II(第Ⅱ類)に指定されています。 処方箋・医師のレター・薬のラベルを揃えれば個人使用として持込可能ですが、書類が不十分な場合は取り調べの対象となります。現地の病院薬局でも精神科医の診察・処方箋がなければ調剤されない、厳格に管理された薬剤です。

⚠️アンフェタミン系(アデロール等)・デキストロアンフェタミンは麻薬Golongan I(第Ⅰ類)に指定されており、医療目的でも原則使用・持込が認められていません。 インドネシアの麻薬関連法(2009年第35号)上、Golongan I薬物の所持は最も重い犯罪類型に分類され、量によっては極めて重い刑事罰(死刑を含む可能性)の対象となり得ます。ビバンセ(リスデクスアンフェタミン)も体内でデキストロアンフェタミンに代謝されるため、インドネシアでは現地登録がなく、持込には十分な注意が必要です。

アメリカなどでADHD治療薬としてアンフェタミン系を処方されている方は、渡航前に必ず主治医・当院にご相談ください。 メチルフェニデートへの一時的な切り替えを含めた対応が必要になる場合があります。

💡書類の準備はお早めに(お問い合わせはこちらから)

BPOM申請書類・医師のレター・投薬証明書は当院で発行可能です。
【グローバル渡航英文書類パッケージ】 英文診断書+英文投薬証明書+渡航相談 ¥18800(相談のみの場合¥4,400、郵送希望はレターパック代¥550)
【グローバル渡航英文書類パッケージ】を申し込んでいただいた方は【インドネシアBPOM申請サポート資料】を添付(当日発行をご希望の場合は+¥3,300)
渡航日が決まったらすぐご予約ください。

→ 英文書類・海外渡航相談のご予約はこちら 来院でのご予約です。他院通院中の方も予約可能です。

→オンラインでのご予約はこちら マイナンバーカードによる本人確認とお薬情報が必要です。地方・海外在住の方はこちらをご利用ください。

BPOM申請・入国時に必要な書類

在インドネシア日本国大使館の案内(2024年10月確認)によると、以下が必要です。

  • BPOM指定の申請フォーム(BPOM規則2022年第27号を改正する2023年第28号の添付書類。個人が携行する場合は添付ⅡB、郵送の場合は添付ⅡAを使用)

  • 投薬証明書(患者氏名、診断名、医薬品名、投与量、治療期間、1日の使用量を明記)

  • 英文処方せん(処方せんまたはお薬手帳のデータ送付にて当院で作成可能)

  • 薬の服用方法等が記載されたラベル

  • 日本語のみの書類は原則受理されません。英語またはインドネシア語訳の添付が必須です。

さらに、渡航者全員が対象の**電子税関申告(Electronic Customs Declaration/ECD)**を入国前にオンラインで済ませておく必要があります。申告項目の中に「Psychotropic Substances(向精神薬)」の欄があり、該当する場合は必ず「はい」を選択してください。

これらすべての要件を満たした英文書類を、要件どおりに作成できる医療機関は多くありません。 特に他院で処方中の方が持参する書類の場合、投与量や治療期間の記載漏れが原因でBPOM申請が受理されないケースがあります。

→ 英文書類・海外渡航相談のご予約はこちら 来院でのご予約です。他院通院中の方も予約可能です。

→オンラインでのご予約はこちら マイナンバーカードによる本人確認とお薬情報が必要です。地方・海外在住の方はこちらをご利用ください。

当院でできること

  • 【グローバル渡航英文書類パッケージ】英文診断書+英文投薬証明書+渡航相談 ¥18800(相談のみの場合¥4,400、郵送希望はレターパック代¥550)

  • 【グローバル渡航英文書類パッケージ】を選択し、渡航先がインドネシアの場合、英文診断書に代えて英文処方箋(枚数不問)を発行し、 【インドネシアBPOM申請サポート資料】を添

  • (当日発行をご希望の場合は+¥3,300)

  • BPOM申請フォームの記載要件を満たした形式で医師のレターを作成

  • 来院またはオンライン診療(要マイナンバーカード)

  • 渡航3〜4週間前のご予約を推奨します(メチルフェニデート等は書類確認に時間がかかる場合があります)。

よくある質問

Q. 他院で処方されている薬でも対応できますか?
A. はい、対応可能です。お薬手帳または処方箋をご持参ください。 オンラインでは、マイナンバーカードによる本人確認とお薬内容がわかれば対応可能です。

Q. 書類発行まで何日かかりますか?
A. 診察当日(+¥3300)または翌営業日以降に発行します。ADHD治療薬などは記載内容の確認に時間を要するため、余裕をもってご予約ください。

Q. 発行が難しいと判断された場合はどうなりますか?
A. 相談料(¥4,400)のみ発生します。書類発行料は発生しません。

Q. アンフェタミン系のADHD治療薬(アデロール等)を服用していますが、どうすればいいですか?
A. 現地で入手・使用が認められていないため、渡航前に主治医とご相談の上、メチルフェニデートなど現地で許容されている薬剤への一時変更をご検討ください。当院でも渡航相談として対応可能です。

Q. 渡航先で英文の診断書や投薬証明書は原本も持参した方がいいですか?
A.税関の職員によっては提示を求められる場合があるため持参をお願いします。

Q. 前回の英文診断書・投薬証明書をそのまま使えますか?
A. 処方内容や診断内容に変更がなくても、海外では最近発行された書類を求められる場合があります。当院では、英文処方せん・英文投薬証明書ともに、渡航ごとに新しく発行することをおすすめしています。

執筆 吉本光宏(精神科医・産業医)20か国以上の渡航経験を持ち、日本渡航医学会所属。 海外赴任者、出張者向けの診断書(英語)・投薬証明書(英語)の発行を行っています。

渡航が決まったら、余裕をもってご相談ください。

→ 英文書類・海外渡航相談のご予約はこちら 来院でのご予約です。他院通院中の方も予約可能です。

→オンラインでのご予約はこちら マイナンバーカードによる本人確認とお薬情報が必要です。地方・海外在住の方はこちらをご利用ください。

最後に

インドネシアの薬事規制・麻薬関連法は改定されることがあります。 医療用の麻薬や向精神薬等に関する規制・手続き(インドネシア)厚生労働省 2024年10月30日確認

最新情報は必ず在インドネシア日本国大使館またはインドネシア国家医薬品食品監督庁(BPOM)でご確認ください。

①英文書類発行をご希望の方
来院でのご予約です。他院通院中の方も予約可能です。
②オンライン診療(マイナンバーカード要)をご希望の方
マイナンバーカードによる本人確認とお薬情報が必要です。地方・海外在住の方はこちらをご利用ください。
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海外の税関でトラブルにならないために!精神科で処方された薬を持って出国する方法